Web2027
この記事は 電通大プログラミング教室 Advent Calender 2025 の19日目の記事です。
The WebXR
WebXR は、ウェブコンテンツを VR(仮想現実)や AR(拡張現実)デバイスに対応させるための標準 API です。ブラウザだけで3D体験をすることができます。
VRだけでなくAR(パススルーやカメラ映像への重ね合わせ)も扱えるのが大きな特徴です。
HTML, JavaScript, WebGLといった標準的なWeb技術で構築できるため、比較的開発しやすい領域だと思います。
The Tool
記事上部の360度画像のデモは、A-Frameというフレームワークを使って実装されています。
- A-Frame: Three.jsをベースに構築されたフレームワーク。HTMLタグ(
<a-scene>,<a-box>など)を書く感覚で3Dシーンを構築できるのが特徴らしい - Three.js: WebGLを扱いやすくするための低レイヤーな3Dライブラリ。カメラやライトを扱える
今回のデモでは、A-Frameの<a-sky>タグを使って360度画像を張り付け、数行のコードで書いています。
こちらの動画を参考に Gemini と書き上げました。Github でソースコードを公開しています。
No Install
WebXR の大きな特徴は、インストールがいらないことです。
通常、VR体験をするにはSteamやOculus Storeから数GBのアプリをダウンロードし、インストールを待つ必要があります。
WebXRなら、URL だけで、ユーザーは体験が可能です。
この「体験までの障壁の低さ」は、SNSや、ちょっとしたプロモーション、教育コンテンツなどで有利になります。
Before Devices
2025年現在、多くの人々にとってのメインデバイスは依然としてスマートフォンやPC、スマートウォッチです。
XR デバイスは普及しているとは言い難いです。
Apple Vision ProやMeta Quest 3といった高性能なデバイスが登場していますが、まだ「誰もが毎日持ち歩くデバイス」にはなっていません。バッテリーの持続時間や重量、価格の面で課題が残っています。
それでも、次の章のようなところでWebXRは使われています。
Real Use
WebXRはエンタメ以外にも、実用的な分野で既に活用が進んでいます。
- 不動産・建築: 遠隔地からの内見(バーチャルツアー)や、建築予定地の3Dモデル確認
- Eコマース: ARによる家具の試し置きや、スニーカーの試着
- 教育・医療: 人体模型の3D表示や、歴史的建造物の復元ツアーなど教科書だけで伝わりにくい立体的情報をWeb経由で提供
New Glasses
ハードウェアの進化も止まっていません。 Meta社は Ray-Ban Meta スマートグラスを展開しており、AIアシスタントを搭載しています。また、開発中の “Orion” と呼ばれるARグラスのプロトタイプも公開されました。Snapchatを運営するSnap Inc.も、開発者向けにARグラス Spectacles を提供していて、2026年に一般販売すると発表されています。
2026年以降、これらのデバイスが一般層に普及し始めれば、スマホに替わる未来が現実味を帯びてきます。
Order Reversed
スマートフォンの普及期(2010年頃〜)を振り返ると、まずiPhoneのようなハードウェアが普及し、LINE や Youtube、Google Maps、パズドラやモンストといったアプリが爆発的に増えました。
しかしXR時代においては、順序が逆転する可能性があるそうです。
先に述べたようにデバイスの普及が遅いですが、開発は着実に行われているからです。
Near Future
WebXRはまだブームとは言えないかもしれませんが、Webの、そして空間コンピューティングの基盤技術として着実に進化しています。
近い将来のWebの姿の1つの可能性かもしれないです。
おわりに
今回の記事のタイトル「Web2027」は今年初めに話題となった論文「AI2027」をパロっています。章のタイトルが英語でわかりにくいのもその影響です。すみません💦
記事のタイトルを WebXR ではなくWeb2027にしたのは、WebXRと同じく2027年までに普及していそうなWeb3.0もこの機会に触ってみようと思ったからですが、時間が足りなかったのでまた別の機会にしようと思います。
この記事を書いていて一番驚いたのは、Github Pages で Web上に3Dを表示できたことでした。Github 有能すぎます。ただ、Githubでも問題はなかったのですが表示速度や転送量が気になったので、Cloudflare Pages にサイトを移動しました。いくらか快適になっていると嬉しいですね。